タバコというものが嫌いではない話

私は喫煙者でもないし今後吸うつもりはさらさらないがタバコというものが嫌いではない。思い返して見ると親族に吸っている人間がいたわけでもないし喫煙者の知人が多いというわけでもない。母に至ってはタバコが嫌いで旅先で喫煙の飲食店に入って隣の客がタバコを吸いだすと露骨に嫌な顔をするような人間である。タバコが1箱500円もするようなこのご時世、そういったまったくタバコにかかわりのなかった人間というのは結構いるだろう。けれども知人の吸うタバコの臭いはなんだかんだ言っても嫌いではなかった。

そんな自分がタバコの存在を身近に感じるようになったのはコンビニでバイトをするようになってからである。レジをしていると嫌でも後ろにあるし客からは「ケント1ミリロング」だの「わかばカートン」だの言われるわけで、そうなるといくらタバコに縁のない人間であっても数ヶ月もすればタバコの銘柄について普通の喫煙者よりは詳しくなる。そして少しタバコについて詳しくなった状態でふとタバコの棚を見てみると"全然売れないタバコ"があるのである。JPSゴールデンバット、ウェストやキャメル。これはたまに売れる。キャメルなんかは常連さんが毎朝買っていくがそれ以外に売れたのを数回しか見たことがない(そういやあの常連さん最近見ないけど元気にしてるのかな)。こういったマイナータバコは言われるとおっ珍しいなと思う。だが、今まで売れているのを一度も見たことがない銘柄と言うのがいくつかあるわけでそういうタバコを吸っている人間を見てみたいなと思うのだ。自分でも変わっているなと思う。

自分は中南海だとかセブンスターの4㍉だとかを吸う人間に興味がある。専門店にまで行って手巻きを吸う人間ですら自分は知っているのにコンビニに置いてある既製品であるそれらを吸うような人間を見たことがない。面白いなと。死ぬまでに一度くらいそれらを吸っている人間と話してみたい。

だからこれから自分は喫煙者に出会う度聞くんだろう。銘柄何吸ってるんですか?